鳩頭の空中散歩

【秋元真夏】そう言っても他に居ない

暇なのでニワカの坂ファンがメンバーについて独断と偏見で考察していく。基本的にグループを分けずに50音順。
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基本的に頭の良い子が好きです。



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 秋元真夏は頭の良さには定評のあるメンバー。ただ引っかかるのは、学校のお勉強はできるんだろうけど…という印象が強い。振りには強く黙り込んでしまうこと無く返球でき、耳に残る特徴的な声なので打てば響くと見られがちではあるが、芸風が狭いのは弱点。基本的に自分から話を振るときは自分の話題からだし、振られたときに自分の話題に持っていく強引さはやや鼻につくが、組立自体は下手ではない。加入時点から今に至るまで自らイメージを変えること無く、他者イメージも変わっていないのは、ある意味希少なメンバー。頭の鉢の大きさをよくいじられるし本人自らネタにするが、地方銀行統一CMを見れば分かる通り、スタイルはかなり良いが絶妙なバランスの頭身で幼さを感じさせるのが魅力の一つである。

 加入時年齢は18歳ちょうど。これは加入時年齢の平均が乃木坂より高い欅坂の加入時平均年齢も上回る。深川麻衣岩瀬佑美子という加入時に成人のメンバーも居たとは言え、生田絵梨花星野みなみ樋口日奈和田まあや川後陽菜あたりの中学生メンバーも多く乃木坂1期生の加入時平均年齢が16.0歳であり、中核層は「花の94年組」と言われる94年学年生を中心とした層であることを考えると、当初から年長組に入る。学年で言えば高山一実斉藤優里と同じで、白石麻衣橋本奈々未松村沙友理の1学年下になる。
 加入直後から学業のために休業し1.5期扱いで4thシングルでいきなり選抜入り、あおりを食らった西野七瀬と確執を生じたというのは、ニワカファンの後付け知識。確執をすべて受入た上で誰も悪く言わず信頼関係を築き上げ、今やメンバーの誰からも慕われるグループの功労者になっていることはファンなら知るところであり、彼女の人柄を語る上で外せないエピソードとなっている。このエピソードもあって、本人が演出したがる家庭的なイメージと相まってしっかり者のイメージを抱かせるのは、自分の立ち位置を理解しきった上でセルフプロデュースが上手いことの証左である。基本的に、ぶりっ子キャラというのは頭が良くなければ成立しない。自分の立ち位置、自己イメージ、他者イメージがすべて噛み合わないと成立しない高等芸である。ぶりっ子キャラに本当に造形から美しい美人が居ないのはその証拠。美人は立ち位置と他者イメージからぶりっ子をする必要はない。また、ぶりっ子は同性からはまず嫌われるので、乃木坂46がファン層が圧倒的に男性寄りであるグループであることを理解しきっている。

 ここで、男性と女性の決定的な差として、ケンカの仕方がある。グループアイドルを考察する上で重要なのは女性と男性のケンカの仕方の差を理解することで、これを理解しなければなぜ運営推しと干されが出るのかが理解できない。
 ケンカの勝敗を決めるのは力関係であることは男性も女性も同じだが、男性の力関係は単純に力量で決まることが多い一方、女性の力関係は「味方の数」で決まることが多い。また、ケンカに勝つためには相手にもある程度力量があることを認めることによって、より勝利が確実となる。これはアメリカ人のメンタルに特に顕著に観察され、ハリウッド映画ではよく見られる。「やつらは強かった。そいつらをぶっ倒した俺らはもっと強かった」。こういう視点でハリウッド映画を眺めるとなかなか面白い。強い相手に対して確実にマウンティングすることでケンカの勝利は確実となり、そのためには敵に対して適度なリスペクトが必要である。
 ここにハマったのがAKB48で、「クラスの5番目くらいの子」を集めたというコンセプトは、「かわいいんだけどうちらでも勝てる」という、適度なリスペクトとマウンティングを同時に満たせる存在として女性ファンをある程度獲得している。一方で乃木坂46は「教室で目立たないけどよく見るとすげえ美人」という、大方の男性がハマる属性を持った女の子を集めている。秋元康マジで天才だわと思うのがここらへん。売り込み対象がAKB48乃木坂46では根本的に異なり、男性目線なのが乃木坂46でファン層もそこにある。男性層を狙った乃木坂では男性を味方につけたほうが強い。

 女性には鼻につくぶりっ子キャラ売りも、乃木坂ファン層にはすっぽりハマる。秋元真夏が自分をはめたのはその位置で、乃木坂46というハコの性質を理解しきった上でのしたたかさであり、それが一番あざとい。秋元真夏は、生来の頭の良さで乃木坂46の性質を見抜きファン層の中核を味方につけ運営に勝負を挑んだ結果、今の地位を獲得している。その前提として、メンバーからも慕われている人柄があるのは言うまでもない。
 一方で本業であるパフォーマンスに関しては、本人がネタにしている通り壊滅的な歌唱力とダンスである。自分の立ち位置はあざといキャラでのバラエティ路線しかないことを理解して活路を開いている。加入当初から相対的に年長であったことで若さ勝負に出ずしっかり者イメージを押し出しているのも、立ち位置の理解とプロデュースが上手い。もっとも、AKB48という先達に若手も増えたし当初から相対的に年長であったことに加えて休業スタートだったので、若さ勝負という道は最初から無かったのだが。

 そんな秋元真夏が、パフォーマンスに定評がありビジュアルでも上位だった桜井玲香の卒業に伴い2代目キャプテンに就任したのが、2019年8月。すでに4期生も加入し3期生も主力になりつつある中で年上へのキャプテン移譲という異例の采配はファンの間でも物議を醸した。桜井玲香は中核の花の94年組の一人であり年長層ではなかったので年長でなければキャプテンが務まらないということは無く、パフォーマンスが重視されるのであれば同じく94年組でパフォーマンスと頭の良さに定評がありキャラクターもしっかりしている中田花奈や、選抜経験こそ無いものの同じくパフォーマンスに優れた2期生の伊藤純奈山崎怜奈も居た。3期生では、ヤンキーっぽい見た目に反しておとなしく真面目なしっかり者で、乃木坂工事中では設楽のお気に入りにもなっていた梅澤美波を次期キャプテンに推す声は強かったし、一時休業をしたものの圧倒的なパフォーマンスが注目されつつも控えめで謙虚な性格からあまり前面に出て来ず、人気面で大園桃子与田祐希に隠れて才能を秘めた隠れた美少女という立ち位置だった久保史緒里に注目する声もあった。ここはやはり秋元真夏自身の人柄によるところが大きいのはあるにしても、釈然としない感を残したのも確かである。
 さらに悪いことに、キャプテン就任後の秋元真夏は「キャプテンの秋元真夏です」というキャプテン主張芸を追加実装した。桜井玲香はキャプテンとして対外的に出ることはほとんど無く、もともと話術に長けた秋元真夏が村外仕事では広報的な役割を与えられることが多く、冠番組以外の出演では「センター・エース・秋元」というパターンがよく見られた。つまり乃木坂46においてはキャプテンはグループ内のポジションであり対外的には役割はないものであったが、秋元真夏はグループ内キャプテン・対外広報部長の両方の役割を負うことになった。ここで対外広報部長を他のメンバーに引き継げればよかったのだが、運営はそれをしなかった。正確には、秋元真夏に替わる広報能力を持ったメンバーが居なかった。結果、秋元真夏本来の持ち芸である「私が」に、「キャプテンです」が追加される羽目になる。秋元真夏の自己主張芸に慣れたオタク層にはそれも持ち味と映るが、ビジュアル的にさして秀でているわけでもない秋元真夏の「キャプテンの秋元真夏です」連呼は、軽い違和感とともに鼻につく。これは彼女にとって非常に不幸だと思う。

 では、秋元真夏本来の実務的な能力を生かした広報の役割を活かしつつ現在の不幸な状況を回避するためにはどうすれば良いかといえば、やはり秋元真夏以外にキャプテン適任者は居ないかということになる。ファンからも推す声が多かった梅澤美波は間違いなく適任者の一人であろう。長身でスタイルの良い彼女は近日写真集が発売されることにもなっており、女性ファンを獲得しやすい。加入当初は身長以外に注目されることがあまり無く、3期生売り込み期間中も決して優遇されていなかったが、真面目で努力家でアンダーから主力にのし上がった実力者でもある。

 さてここで、そうは言っても秋元真夏以外にキャプテンはやはり難しかろうと言うには、一人のメンバーに注目する必要がある。現エース、齋藤飛鳥である。
 コロナ禍によるリモート収録を経てスタジオ収録を再開した乃木坂工事中であるが、リモート収録開けのスタジオ企画は「内輪受けモノマネ企画」だった。乃木坂工事中でも人気で普段注目されにくいアンダーメンバーが表に出てこれる企画であり、その代表格が和田まあやである。過去の内輪モノマネでは和田まあやが連覇している。今回の企画では、3期生の山下美月齋藤飛鳥のモノマネを披露した。同期内でモノマネをするのが定番で、先輩いじりは極めて異例であった。山下美月のモノマネ披露に対する齋藤飛鳥の反応は、完全な先輩風であった。それもかなり嫌な。このときの齋藤飛鳥のレスポンスは日向坂46ではまず見られないと予想される。日向坂46は運動部や吹奏楽の経験者で揃えており、欅坂46の下部組織という出自もあってノリが全体的に体育会系である。体育会系は基本的に年功序列ではあるが実力尊重であり、年齢や経験という覆せない要因のみには従わない上で先輩を立てることが身についている。文化系にはこれがない。齋藤飛鳥の「何年先輩?」という反応は、まさに文化系のそれであった。台本があるにしてもこれはまずい。文化系おとなしめ女子で揃えた乃木坂ではリアルすぎて一種の弊害であろう。
 齋藤飛鳥が結成当初からのメンバーでアンダーからのし上がった実力者であることは確かである。しかし、最年少としてお姉さんメンバーに庇護されながら芽吹いたメンバーであることは古参のファンからよく聞く。育ちもあろう、やってもらうことが当たり前という意識が強い。なので、後輩から見せ場をもらったという方向に意識が向かないし、年上の言うことしか聞かない。とは言っても、現在では押しも押されもせぬエース。後輩・年下の言うことは絶対に聞かないであろうエースを制御できるのは先輩で年長者しかいない。

 ごめんね、誕生日に悪口ばっかり言ってるようで。加入時に13歳になったばかりで、今日22歳になったばかり。

 中学〜高校〜大学で学生生活を謳歌して知識も経験も蓄積される期間をまるごと芸能界で過ごしていて、一般人が経験できない経験をいっぱいしているだろうけど、同時に色々と弊害も生じているだろう。これはジャニーズでも時々問題になる芸能界の構造的な問題。

 まだ若年の部類に入る齋藤飛鳥よりも年上のメンバーは何人か居るが、1期生からしか選べないとなると、白石麻衣にキャプテンの素養があったらとっくにキャプテンをやっているし、第一もう卒業する。高山一実松村沙友理は、本人がガラじゃないと言うのは目に見えている。松村沙友理は禊は済んでいるとは思うが前科があるし、高山一実はキャプテンの素養が非常に高いのだが現状最も卒業に近いメンバー。結果、消去法的に秋元真夏しか残らないし、幸か不幸か、秋元真夏自身にキャプテン適性が決して無いわけではない。

つまりね、まなったん
キャプテン主張芸はもうちょっと控えたらもっと良いと思うよ。