鳩頭の空中散歩

つながるつながる

仕事がら、複数台のPCをぶん回すのでNASが今ほど一般的になる前からNASさまさまで利用している。もう10年以上になるかな。
数年前に、もうこれでいいや的なNASを導入して愛用しているけど、データ整理ついでにHDDを更新するかなーという時期に来たので、備忘録的に記事作成

ダメルコ

 富士重工→スバルのようにブランド名を社名にした会社の一つにバッファローがある。旧社名はメルコ。往年のPC-98ユーザーには懐かしい響きの古参の国産PC周辺機器メーカーだ。筆者は根っからMacユーザーなのでPC-98は使ったことない…ごめん、国産エ◯ゲーというPC-98沼に生息する在来種のために飼っていたことある黒歴史
 メルコは何かと挑戦的な製品を出すことでも知られ、比較的手堅いアイオーデータに対して時に挑戦的すぎてぶっ飛んで安定性に致命的な問題を抱える製品も少なくなかったため、「ダメルコ」という愛称さえあった。2003年に、ブランド名として使用していたバッファローに社名を変更している。802.11が策定されて早い段階で無線LANルーターを一般向けに製品化するなどネットワーク関連も得意としている。無印802.11は2Mbpsという今では信じられないスペックだけど、LANの無線化というのは衝撃的だった。メルコのルーターはかなり癖があり、本格派なんだか一般コンシューマー向けなんだかよく分からない、痒いところに微妙に手が届かない癖に妙にマニアックな仕様で、他社ルーターでは蹴られるドメイン越しアクセスがメルコならできてしまうという、セキュリティ上アレな仕様の製品もあった。このルーター(あえて型番は伏せる)でなければ出来ない仕事もあったので、生産中止になってからも予備に複数確保していた。
 NASを比較的早い段階から豊富に取り揃えていたのもメルコで、ファイルサーバーを立てていたPCをNASに切り替えた時に導入したのはメルコのNASだった。

大は小を兼ね?

 21世紀になったばかりの頃だったと思う。Macメインの中の仕事上Windows機が必要になったのと、まあ半分以上ゲーム機としてPCを自作した。今ではPCはネットワークに繋げて使うのが当たり前だけど、20世紀は個人ユースではスタンドアロンがほとんどで、Windows9x系のOSはTCP/IPを実装はしていてもネットワークはそれなりにめんどくささがあった。Macには漢字Talk時代からAppleTalkというPnPのネットワーク機能が実装されていてMacオンリー環境ではサーバー・クライアントを特に意識しなくてもファイルサーバーは超楽だった。そこにWindows機の乱入である。そこで、ファイル共有拠点として運用していたPowerMac G3 DT233
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Mac OS X Serverをぶち込んで本格的にファイルサーバーとしての運用を目論んだ。そこ、なにこのPC-98?って言わない。Macがオシャレじゃなかった時代もあるんです!
 本格的にサーバーOSを導入したので、内部ネットワークからはファイルサーバー、外部からは共有フォルダにアクセスできる外部公開サーバーにしてみようと、プロ向けの高価なYAMAHAルーターを導入したりしたが。結論から言うと挫けた。
 で、いいじゃん、MacWindowsでファイル共有するだけならサーバーじゃなくてもいいじゃん、ということで導入したのが、メルコのNASである。ファイル共有だけなら黙々とHDDだけ回ってりゃいいわけで、フルスペックのPCが常時稼働する必要は無い。これはサーバーマシンではなくNASを運用することの最大のメリットである。メルコのNASはその目的をよく果たしてくれた。

先祖返り

 しばらく調子良く使っていたものの、ある時期からネットワークドライブのマウントが突然切れる症状が頻発し始めた。分解してみると、制御基板のコンデンサーの頂部がはち切れんばかりに膨らんでいた。調べると、バッファローNASには良くある症状らしかった。筐体の冷却能力が不足気味なのもその一因であるらしい。
 この頃になると扱うデータも大きなものが増えネットワーク越しのファイル操作にややストレスもあって、基本的な作業は導入した最新の超ハイスペック機のローカルから行うことがほとんどになっていた。ネットワークで複数台からアクセスするという必要性が低下していた。そこで、妊娠コンデンサーで瀕死のNASからただの外付けHDDの運用に先祖返りを決意する。冷却には十分気をつけたいので、HDDケースの選択を慎重に行った。最低でも6cmのファンが付いているものが望ましかった。ところが、ニーズに合うケースがなかなか無い。そんな中で、「お、これは!」と目を引いたのが、これであった。
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 SynologyのNASキットとの出会いである。
 外付けHDDケースを探していてNASキットを見つけた。これは一種の転機であった。
 Synologyは現在ではメジャーになり、運用に関する記事も多いが、2014年頃にSynologyのNASを運用を始めたのは、アーリーエクスペリメンターの部類じゃないかと思う。
 お盆休みのうちにメンテナンスしようと思うので、しばらくSynologyのステマを随時更新したいと思う。