最近、データサイエンスと言えるほどではないけれど数値データの傾向解析が面白くて色々やっている。エクセルでデータをあれこれやってみる程度ではあるが、エクセルでやっていることをPythonで書くにはどうするか考えたり、VBAをPythonに書き換えてみるとかしてPythonの勉強にもなってなかなか楽しい。
色々あってイロイロ暇なので、アイドルで遊んでみた話。
エクセル計算式で書くと鬼畜のIFネストが必要となりIFS関数実装以前のバージョンでは軽く頭が沸騰しそうな複数条件の掛け合わせと日付演算をPython化する練習として、エクセル関数を使って坂道3グループのデータ解析で遊んでみた。楽曲売上等は全然わからないので、メンバーのバイオグラフィーを3坂串刺しで見てみただけ。
hatoatama.hatenablog.com
3坂それぞれの熱心なオタはいがみ合ってることが多いのかな、ネットを見ると。特に乃木坂オタと欅オタはお互いにケヤカス・ノギカス呼ばわりして罵り合っているのが非常に醜い。私はニワカなのでそれぞれのグループに深入りするほどよく知らないしどこにも嫌悪感もない。それに、3坂を俯瞰した考察というのは案外少ないようだ。
そこで、生年月日と出身地、各グループの期別の加入日、卒業等の離脱年月日をクエリとしてグループに関係なく50音順でメンバーを並べたエクセルDBを作ってみた。後ほどPythonで書き直してみるとして、現在年齢と加入時年齢、離脱時年齢および活動期間を算出して解析してみた。データは2020年8月9日時点のものであり、卒業を発表しているがグループ活動を終了していない白石麻衣と中田花奈は現役生として解析している。松井玲奈は解析に入っていたりいなかったりなので、もともと厳密なものではない。
データは各グループ公式サイトおよびエケペディアを参考とした。
www.nogizaka46.com
www.keyakizaka46.com
www.hinatazaka46.com
現役メンバー
年長のベテランメンバーが目立つので乃木坂が一番平均年齢が高いのかと思ったらそうでもなかった。乃木坂と欅坂では平均年齢に有意な差はない。
年齢分布
乃木坂46は最高齢メンバーを抱えるものの若年層が厚いことで全体の平均年齢が下がっている。3期・4期の加入で若返りを図っているように見えるので、各グループごとで加入期別の平均年齢を求めてみた。
加入期別平均年齢
乃木坂46
- 1期 24歳9.6箇月(10人)
- 2期 23歳1.6箇月(8人)
- 3期 20歳4.8箇月(12人)
- 4期 18歳5.6箇月(11人)
- 新4期 18歳1.0箇月(5人)
欅坂46
- 1期 22歳9.2箇月(13人)
- 2期 19歳8.7箇月(9人)
- 新2期 19歳9.8箇月(6人)
日向坂46
- 1期 21歳11.8箇月(9人)
- 2期 19歳6.0箇月(9人)
- 3期 16歳3.0箇月(1人)
- 新3期 16歳6.7箇月(3人)
やはり、各グループとも新規加入で平均年齢を押し下げているのが分かる。
そこで加入時の年齢を求めてみた。乃木坂2期生は研修生から昇格した時点とし、乃木坂新4期・欅坂新2期・日向坂新3期は配属先発表日とした。加入時年齢は卒業等による離脱者も集計対象とした。
加入時平均年齢
乃木坂46
- 1期 16歳0.1箇月(36人)
- 2期 16歳4.4箇月(14人)
- 3期 16歳5.3箇月(12人)
- 4期 16歳9.0箇月(11人)
- 新4期 17歳7.0箇月(5人)
欅坂46
- 1期 17歳4.4箇月(21人)
- 1.5期 17歳2.0箇月(1人)
- 2期 18歳0.3箇月(9人)
- 新2期 19歳4.2箇月(6人)
日向坂46
- 1期 17歳8.1箇月(11人)
- 2期 16歳6.0箇月(9人)
- 3期 14歳7.0箇月(1人)
- 新3期 16歳0.7箇月(3人)
これを見ると、乃木坂46と欅坂46の方向性の差が見えてくる。
メンバーを加入時年齢の若年順にソートすると、紫と水色が上に寄り緑が下に寄る傾向がはっきりと出る。
欅坂は平手友梨奈を中心としたアーティスト路線で「大人に反抗する少女たち」というカラーが与えられたが、オーディションで選抜されたメンバーは2学年近く乃木坂加入者を上回る。乃木坂新4期、欅坂新2期の年齢層が高いことに目が行くが、研修生で1年以上塩漬けにされていたので坂道合同オーディション合格時点での年齢は他の期とほぼ変わらない。研修生から各グループに配属するときもやはり欅坂には若干高めの層が割り振られている。
乃木坂1期生が3グループ各期の中で最も若いうちに集められているのは、そこらの十把一絡げではなく本腰入れて長い目で育てるつもりが最初からあったと好意的に解釈できるか。
一方、欅坂は乃木坂が経験したドサ回りじみた下積みを経ること無くいきなりスタートダッシュをかましている。そのためにはある程度下地ができていることが必要だっただろうし、そのために身体もできあがっている年代を集めたというのは考えすぎだろうか。男子はこのあたりの年齢で急速に身体ができてくるが、女子はだいたい中学生の間くらいである程度身体ができるので高校生くらいでは成長途上の男子より仕上がっている。
また、欅坂の結成は乃木坂に遅れること4年で、乃木坂1期生オーディション通過を逃した人が欅坂1期生の対象年齢層に適合した可能性もある。欅坂オーディションに応募した女の子たちの中には乃木坂ファン層も居て「乃木坂みたいになりたい」と夢見て応募してメンバーの座を勝ち取ったのに、乃木坂とはまるで異なる路線のグループだった結果アレコレという話は見たりするが、うん、まあ、当事者でもないし当時をリアルタイムで知らないのでよく知らない。
離脱メンバー
離脱時平均年齢と活動期間平均
では、下は中学生くらいで加入してどのくらい続けるのか。加入時年齢による離脱時期の傾向はあるのかを見てみよう。加入年齢が高いほど長く居座るとかいう傾向があればなかなか面白いかもね。
ただしこの解析は活動辞退による1年未満の離脱も集計しているのでノイズが大きい。また、欅坂離脱者は聞き齧りするかぎりあまり円満な離脱をしていなさそうなので、行動傾向を拾えるかどうかは怪しいところ。一応、こういう視点でもクライテリアを切ってみたよ、ということで。
興味深いことに、15歳で加入したメンバーの離脱率が突出して高く、50%に及ぶ。
では、どのくらいの期間活動して離脱するのだろうか。
乃木坂46
・1期(24人)
離脱時年齢平均 :22歳3.8箇月
離脱までの平均活動期間:5年4.4箇月
※ 契約解除を含む
※※ 活動辞退を除く
・2期(3人)
離脱時年齢平均 :22歳8.3箇月
離脱までの平均活動期間:6年0箇月
※ 活動辞退を除く
・3期
離脱なし
・4,N4期
離脱なし
欅坂46
・1期(8人)
離脱時年齢平均 :20歳6.6箇月
離脱までの平均活動期間:3年11.1箇月
※ 活動辞退を除く
・1.5期(1人)
離脱時年齢平均 :20歳10.0箇月
離脱までの平均活動期間:3年8.0箇月
・2,N2期
離脱なし
日向坂46
・1期(2人)
離脱時年齢平均 :20歳11.5箇月
離脱までの平均活動期間:3年6.0箇月
※ けやき坂46からの通算
・2期
離脱なし
・3,N3期
離脱なし
この分析結果を以ってしてどこのグループがどうとか言うつもりもないしその根拠にすらならないが、乃木坂2期生は本当に根性があると思う。
もう少し掘り下げてみよう。
図4.を見ると、加入時の年齢によって離脱までの活動期間にある種の傾向があることが読み取れる。ただ、6年以上継続しているグループは乃木坂だけだし、活動辞退も含むのであまり当てにならないが。
15歳以下、つまり中学生のうちに加入したメンバーは6年以上活動する傾向があるが、一方で15-16歳、高校入学に合わせたタイミングで加入したメンバーは4年未満で離脱している。それ以上の年齢になると4年以上、さらにもっと長期に渡って活動を続ける傾向がある。
高校入学のタイミングで加入し3年ほどで辞めてしまうのは、進学や他の職業への進路の影響が大きいだろう。ただ、その境を超えると逆に6年以上長く活動する傾向が見られる。
別の見方もできる。中学生で加入したメンバーはアイドル稼業を幼い頃からの夢として実現した以上、ある種の職業意識が早いうちに醸成されていると考えられる。また、アイドル稼業は潰しが効くものではない。そのため、プロとして居続けるか、あるいは他に道がなくなってしまっているか。
一方で、中学卒業や高校入学のタイミングで加入したメンバーは、おそらくその先をその時点で見据えている者もあろう。あるいは、グループアイドル活動を校外部活動のような感覚で捉えている者もいるかもしれない。特に乃木坂や日向坂が少なくとも外部に対して感じさせるアットホームな雰囲気は、部活的でもある。
17歳以上で加入した者は、大学に進学して二足のわらじを履く者と、プロ芸能者として生きる方向を目指す者に分かれているような気がする。いずれも腰を据えて長く活動する傾向が見られる。
まあ、あくまでもデータから推測する傾向であり、もちろんメンバー個々人が考えることは到底わからない。
ただこれだけは言っておこう。
いつまでも
居ると思うな
親と推し
その他の傾向解析
出身地
卒業生を含めて3グループまとめて出身地を分析。
日向坂は母数が少ないので参考程度にしかならないけど、3グループ総計140人のうち79人が乃木坂なので、乃木坂に関してはかなり精度の高いデータとなる。これを見ると、乃木坂46が東日本出身者に偏重したグループであることが分かる。興味深いのは、欅坂46に関西出身メンが乃木坂に対してかなり多いということだ。
しかし、これをさらに解析するとこうなる。
表4は、メンバーの出身地を都道府県コード順にソートしたもの。北から順に8地方区分に並ぶ。
この表からも乃木坂が東日本偏重なのが分かるが、欅坂で関西出身メンバーはほぼ2期生で、1期生には関西出身はほとんど居ない。欅坂は1期生と2期生でキャラクターがかなり違うことが知られているが、これだけ地域性に偏りがあるとさもありなんという気はする。
ビジュアルの乃木坂、パフォーマンスの欅坂という売り込み方をされたせいか、欅坂がビジュアルグループだという認識はあまりされていない。しかし、はっきり言って欅坂のほうが美人が多いと思う。美人名産地である東北と九州の出身者比率が高いのも、乃木坂と欅坂で共通した傾向なのかな?